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峰歯科ブログ

「歯を抜くタイミング」は、患者さんが決めていい

執筆:峰 啓介

  • 院長ブログ
  • 歯に関するお悩み
「歯を抜くタイミング」は、患者さんが決めていい

三重県伊賀市にある歯医者の峰歯科・矯正歯科クリニックの院長KSKこと峰啓介です。

今日は、患者さんからよく質問される「歯を抜くタイミング」について、私の考えをお話しします。
少し長くなりますが、ぜひ最後まで読んでください。

「抜くしかない歯」をいつ抜くか

歯が痛い

虫歯や歯周病が進行して、もうこれ以上治療で維持できない。
そういう状態の歯が出てくることがあります。いわゆる「抜くしかない歯」です。このとき、私は患者さんにそのことを説明した上で、こうお伝えします。

「抜くタイミングは、あなたが抜きたいと思ったときで構いません」

すると多くの方が、こう聞き返されます。
「抜かなくても問題ないんですか?」
この質問には、実は一言では答えられない理由があります。

→峰歯科の『虫歯治療』ページはこちら

「問題」という言葉には二つの意味がある

この質問を受けるたびに、私は安易に「問題ありません」とは答えられません。
なぜかというと、「問題」という言葉に二つの意味が含まれているからです。

一つは症状の問題です。
弱った歯をそのままにしておけば、痛みが出たり、腫れたり、食事がしにくくなったりする可能性があります。その意味では、「問題が起きる可能性はある」とお伝えしなければなりません。

もう一つは抜くタイミングの問題です。
こちらについては、今すぐ抜かなければならないわけではなく、患者さん自身が決めてよいと私は考えています。

「抜かなくても問題ないですか?」という質問には、この二つの意味が混ざっています。
そのため私の答えも少し複雑になります。
症状が出る可能性はある。けれど、今すぐ抜くかどうかは患者さん自身が決めていい
これが私の正直な考えです。

→峰歯科の『歯周病治療』ページはこちら

なぜ抜くタイミングを患者さんに委ねるのか

歯の治療

ここが、私の考えの中心になる部分です。

今抜いても10年後に抜いても、20年後はほとんど同じ

例えば癌であれば、今治療するかどうかで10年後の結果が大きく変わります。そのため「今すぐ治療するべき」という明確な理由があります。
一方で、抜歯の話は少し違います。
今抜いても、10年後に抜いても、20年後の状態はほとんど変わりません。

もちろん症状が出る可能性はありますが、「今この瞬間に抜かなければ将来が大きく変わる」というケースばかりではありません。だからこそ私は、そのタイミングを患者さん自身が決めるべきだと考えています。

歯を抜くことは取り返しのつかない処置だから

歯を抜くことは、一度行えば元には戻せません。
だからこそ私は、医学的な正しさだけでなく、患者さん自身が納得できているかどうかを大切にしたいと思っています。
「先生がそう言うから」ではなく、「自分で理解して、自分で決めた」
そう思える状態で治療を受けていただきたいのです。

→【おすすめ記事】「大人の虫歯」が増えている|だからこそ、むやみに削ってはいけない

「歯を抜かれた」と感じてしまう理由

よく耳にする言葉があります。
「あそこの歯医者に行ったら、歯を抜かれてしまった」

その歯医者さんの判断は、おそらく医学的には正しかったのだと思います。
治療を進めるためには、抜歯以外に選択肢がなかった可能性も十分あります。
それでも患者さんが「抜かれた」と表現するのはなぜでしょうか。

私は、納得する前に抜歯が行われたと感じたからではないかと思っています。
説明が不足していたのかもしれませんし、患者さん自身が気持ちの整理をつけられていなかったのかもしれません。

いずれにしても、「自分で決めた」という感覚がなければ、たとえ適切な治療であっても後悔や不満につながることがあります。
歯を失うことは、患者さんにとって非常に大きな出来事です。
だからこそ、医学的な正しさと同じくらい、納得して決めることが大切だと私は考えています。

峰歯科が大切にしていること

正直に言うと、このような説明をすると困惑される患者さんも少なくありません。
「先生にお任せします」「先生が抜いた方がいいと思うなら抜きます」
そう言っていただくこともあります。

もちろん、そのお気持ちはよくわかります。
専門的な判断は専門家に任せたいと思うのは自然なことです。
それでも私がこの説明を続けるのは、歯を抜くという不可逆的な処置を、患者さん自身が納得して選択できるようにしたいからです。

医師が一方的に決めるのではなく、患者さんが理解し、納得し、一緒に決める。
それが私の理想とする歯科医療です。

患者さん自身が納得して決めるために

「抜くしかない歯」であっても、抜くタイミングまで歯科医師が決める必要はないと私は考えています。症状が出る可能性や将来的なリスクについてはしっかりお伝えします。その上で、いつ決断するかは患者さん自身が選んでよいと思っています。歯を失うことは大きな決断です。

だからこそ、「先生に言われたから」ではなく、「自分で決めた」と思えることを大切にしてほしいと思います。
何かお口のことで気になることがあれば、三重県伊賀市の歯医者、峰歯科・矯正歯科クリニックまでお気軽にご相談ください😊