歯の磨き残しチェックの習慣
執筆:峰 啓介
- 虫歯治療
先日、「予防歯科と歯ブラシ選び」に関する興味深い調査を目にしました。
その調査では、約80%の方が「自分の口の大きさや歯並びに合った歯ブラシを選ぶことが大切」と考えている一方で、約67%の方が「自分にどんな歯ブラシが合っているのかわからない」と回答しています。
患者さんからも、「どの歯ブラシがおすすめですか?」「私にはどんな歯ブラシが合っていますか?」と聞かれることがあります。
ただ実際には、歯ブラシ選びにどれだけ気を使っていても、虫歯や歯周病になる方はいます。逆に、特にこだわりがなくても、お口のトラブルが少ない方もいます。歯ブラシ選び以上に、意識していただきたいことがあります。
歯ブラシは基本的には好みで構いません
もちろん、歯ブラシによって磨きやすさには違いがあります。ヘッドが大きいもの、小さいもの。毛が硬いもの、柔らかいもの。柄の太さや形もさまざまです。口が小さい方なら小さなヘッドの方が奥まで入れやすいでしょうし、細かいところを磨くなら小さな歯ブラシの方が扱いやすいこともあります。
ただ、だからといって、「自分に合った歯ブラシを選ばないと、きちんと磨けない」とまで考える必要はないと思っています。
どんな歯ブラシでも、基本的には磨くことができます
歯ブラシ選び以上に大切なのは、実際に歯の汚れを落とせているかどうかです。普通の歯ブラシであれば、使い方を工夫することで基本的にはどれでも歯を磨くことができます。
「自分に合わない歯ブラシを使っているから虫歯になった」「歯ブラシ選びを間違えたから歯周病になった」というほど、歯ブラシの種類そのものが大きなリスクになるとは考えにくいでしょう。
むしろ重要なのは、歯と歯茎の境目や奥歯など、汚れの残りやすいところにきちんと歯ブラシが当たっているかです。そして歯ブラシだけでは歯と歯の間を十分に清掃できないため、必要に応じてフロスや歯間ブラシを使うことも大切です。ジェットウォッシャーは歯ブラシと併用が大切ですの記事もあわせてご覧ください。
とはいえ、毎日使うものです
だからといって、「歯ブラシなんて何でもいい」という意味でもありません。歯磨きは毎日するものです。毎日使うのであれば、自分が心地よく磨ける歯ブラシの方がいいでしょう。
「この大きさが磨きやすい」「この硬さが気持ちいい」「この歯ブラシなら奥歯まで届きやすい」そう感じるものを使えばよいと思います。
歯ブラシは比較的気軽に試せるものですから、いろいろ使ってみて、自分の好みを見つけるのもよいでしょう。
歯ブラシ選びだけでは、虫歯や歯周病は防ぎきれません
ここが一番お伝えしたいポイントです。どれだけ自分に合った歯ブラシを選んでも、正しく磨いているつもりでも、磨き残しに自分自身で気づくことはとても難しいのが実情です。
毎日鏡を見ながら磨いていても、いつも同じところに汚れが残っていたり、歯と歯の間や歯周ポケットの奥など、自分の目では確認しづらい場所に汚れがたまっていたりすることは珍しくありません。そうした磨き残しが積み重なることで、虫歯の初期症状は「無症状」?お口の健康と全身の関係でも解説しているように、自覚症状がないまま虫歯や歯周病が進行してしまうケースもあります。
歯周病のサインについては、歯ぐきから血が出る・朝だけ口がネバネバ…歯周病のサイン?の記事でも詳しく解説していますので、思い当たる症状がある方はぜひ確認してみてください。
つまり、歯ブラシ選びに神経質になるよりも、磨き残しを客観的にチェックしてもらう機会を定期的に持つことの方が、虫歯や歯周病の予防にはずっと効果的です。
よくある質問
Q. 歯ブラシはどのくらいの頻度で交換すればいいですか?
A. 毛先が広がってきたら、交換の目安です。一般的には1か月に1本程度が目安とされていますが、使い方によって個人差があります。毛先が開いた歯ブラシは汚れを落とす効果が下がるため、見た目で判断して早めに替えることをおすすめします。
Q. 電動歯ブラシと普通の歯ブラシ、どちらがいいですか?
A. どちらも正しく使えば十分に汚れを落とすことができます。電動歯ブラシは動かし方が簡単というメリットがありますが、普通の歯ブラシでも丁寧に磨けば同じように汚れを落とせます。ただしどちらを使っていても、磨き残しがゼロになるわけではないので、定期的なチェックは必要です。
Q. 自分では丁寧に磨いているつもりですが、それでも虫歯になりやすいです。なぜですか?
A. 磨いている「つもり」と、実際に汚れが落とせているかは別問題です。歯並びや歯の形によって、どうしても磨き残しやすい場所は人それぞれ異なります。一度歯科医院でご自身の磨き癖を確認してもらうと、原因がはっきりすることが多いです。
峰歯科・矯正歯科クリニックの歯磨き指導・定期検診について

伊賀市の歯医者、峰歯科・矯正歯科クリニックでは、定期検診の際に、患者さん一人ひとりの歯並びや磨き方のクセに合わせて、磨き残しの出やすい場所を実際にお見せしながら確認しています。
ご自身では気づきにくい磨き残しも、専門的な器具を使ったクリーニング(PMTC)でしっかり除去することができます。
「歯ブラシ選びに自信がない」「磨いているのに虫歯や歯周病になりやすい」という方こそ、一度クリーニング・予防歯科にお越しいただき、ご自身の磨き残しの傾向を知っていただくことをおすすめします。伊賀市で歯医者をお探しの際は、いつでもお気軽にご相談ください。