スポーツ時のかみ合わせとマウスガードの重要性
執筆:峰 啓介
- 矯正情報ブログ
先日、「かみ合わせは健康の礎 スポーツと歯の関係」という公開フォーラムが開催されたという記事を読みました。今年の夏はサッカーW杯やラグビーの国際大会も開催され、スポーツと歯科との関わりが改めて注目されています。
歯科医師として非常に興味深い内容でしたので、
今回はスポーツとかみ合わせ、そしてマウスガードの重要性についてご紹介します。
かみ合わせは体のバランスや運動能力にも関係しています

歯が少ないと、転倒リスクが高くなることがあります
日本顎咬合学会の理事長によると、歯がほとんどなく入れ歯も入れていない高齢者は、歯が20本以上ある人と比べて転倒リスクが2.5倍にもなるそうです。
一方、歯がなくても入れ歯をきちんと使用し、しっかり噛めていればリスクは高くならないことも分かっています。つまり、噛む力を維持することは、お口の健康だけでなく体全体のバランスにも関係しているということです。
子どもの運動能力との関係も注目されています
日本スポーツ歯科医学会の理事長は、子どもの場合も虫歯や歯周病がなく、歯並びが整っている子どもは体のバランスが安定し、運動能力が高い傾向にあると述べています。
実際には、咬合力が高い中学生ほど50メートル走や立ち幅跳びの成績が良かったという研究結果も報告されています。
→よくある質問『歯並びがよくなるとどのようなメリットがありますか?』など掲載中
かみ合わせはスポーツパフォーマンスにも影響する

泳ぐ方向やボールの軌道まで変わることがあります
特に興味深かったのが、水泳で行われた実証実験です。
下顎をずらしてかみ合わせを崩した状態で50メートルクロールを泳ぐと、泳ぐ方向自体がずれてしまい、距離が0.04メートル余分にかかってしまったそうです。コンマ1秒を争う競技では、このわずかな差が結果を左右する可能性があります。
また、高齢者のゲートボールでも、入れ歯を外して咬合関係を悪くするとボールが曲がるなど、成績が悪化したという報告があります。ゴルフやサッカーなどでも、思った方向へボールが飛ばない原因の一つとして、かみ合わせが影響している可能性も考えられます。
スポーツではマウスガードも大切です

今年の夏はサッカーW杯に加え、ラグビーの国際大会も開催されています。
ラグビーでは中高生のマウスガード装着が義務付けられていますが、野球やサッカー、バスケットボールなどでも口のケガは少なくありません。
日本スポーツ歯科医学会の理事長によると、マウスガードを装着しない場合、口腔外傷のリスクは約2倍になるという報告があります。ニュージーランドでは、マウスガード装着により外傷が43%減少し、未装着では外傷率が4.6倍になったというデータもあります。
中学生のバスケットボールや高校野球でも前歯を損傷する事故が報告されており、成長期のお子さんほど注意が必要です。
マウスガードはパフォーマンス向上にも役立ちます

マウスガードは歯を守るだけではありません。
噛み合わせを安定させることで体幹のブレを抑え、下肢筋力や瞬発力の向上につながる可能性も報告されています。
さらに脳震盪の予防にも効果が期待されており、スポーツをする方にとって心強いアイテムです。
最近では高校生でも作製される方が増えています。
2024年度からは、歯科医師の診断のもとで歯を保護する目的のマウスガードについて、保険が適用されるようになり、以前より作りやすくなりました。
→【関連ブログ】マウスガードのニーズが世界的に拡大しています
スポーツを楽しむために、かみ合わせとマウスガードを見直してみませんか
伊賀市の歯医者、峰歯科・矯正歯科クリニックでは、スポーツをされる方に対して「かみ合わせ」と「マウスガード」の両方を大切にしています。
矯正治療によってかみ合わせを整えることは、見た目だけでなく体のバランスや力を発揮しやすい環境づくりにもつながります。また、マウスガードは競技の特性や予想される衝撃を考慮し、噛み合わせまで調整したオーダーメイドで製作しています。
スポーツを頑張っているお子さんや、ご自身のパフォーマンス向上を目指している方は、一度かみ合わせやマウスガードについて考えてみませんか。マウスガードのご相談は、お気軽にお声がけください!