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乳歯の虫歯はどうする?治療の判断基準と仕上げ磨きのポイント

執筆:峰 啓介

  • 歯に関するお悩み
  • 虫歯治療
乳歯の虫歯はどうする?治療の判断基準と仕上げ磨きのポイント

「乳歯に虫歯が見つかりました。どうせ永久歯に生え変わるなら、治療しなくてもいいですか?」小学生のお子さんを持つ保護者の方からは、「子どもの仕上げ磨きって、何歳までしたらいいですか?」というご質問をいただくこともあります。

乳歯はいずれ抜けて永久歯に生え変わりますが、だからといって乳歯の時期のお口の状態を気にしなくてよいわけではありません。乳歯の虫歯をどう治療するかだけでなく、これから生えてくる永久歯を虫歯にしないために、毎日の歯磨きや仕上げ磨きをどのように続けていくかも大切なポイントです。

今回は、乳歯の虫歯への対応と、子どもの仕上げ磨きについて詳しく解説します。

乳歯の虫歯は必ず治療した方がいい?

乳歯の虫歯は必ず治療した方がいい?

確かに乳歯はいずれ抜けて、永久歯に交換します。では、乳歯の虫歯は必ず治療した方がいいのでしょうか。私は、その子の年齢、虫歯の状態、永久歯への生え変わりまでの期間、そして治療をどの程度受け入れられるかを考えながら決めればよいと考えています。

乳歯の虫歯がそのまま永久歯に引き継がれるわけではありません

乳歯と永久歯は別の歯です。乳歯に虫歯があったからといって、生えてくる永久歯も同じ場所がそのまま虫歯になるわけではありません。いずれ乳歯は抜け、永久歯に交換しますので、乳歯の虫歯を考えるときには、永久歯に交換するまでの期間を、できるだけ苦痛なく過ごせるようにすることが大切だと考えています。ここでいう「苦痛」には、虫歯による痛みだけでなく、治療そのものによる苦痛も含まれます。

選択肢は「削って治す」だけではありません

乳歯に虫歯が見つかった場合、状態によっていくつかの選択肢があります。

虫歯をしっかり治療する方法があり、お子さんが治療を受けられ、必要性が高い場合には、通常通り虫歯を除去して治療します。一方、虫歯の状態によっては、歯の切削をほとんど行わず、銀歯で覆うことで虫歯の拡大を抑える方法を選択することもあります。また、虫歯の状態や永久歯への生え変わりまでの期間、お子さんが治療を受け入れられるかなどを考え、すぐには治療せず経過観察するという選択肢もあります。どれが正解というわけではなく、その子にとって、永久歯に交換するまでをどう過ごすのが一番良いのかを考えて選択します。

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→クリーニング・予防歯科ページはこちら

どうしても治療できない子もいます

歯科医院としては、もちろんできるだけ痛くないように、怖くないように治療する努力をします。
それでも子どもですから、ほんの少し治療をするだけでも、ものすごく怖がって泣いてしまう子もいます。そういう子を押さえつけて、無理やり治療することが、本当にその子にとって一番良いのでしょうか。一度強い恐怖を感じて「もう歯医者には行きたくない」となってしまえば、その後の定期検診や予防まで難しくなってしまう可能性があります。私は、そこまで考えて治療する必要があると思っています。

あえて様子を見るという考え方

もちろん、治療をしなければ虫歯が進行し、将来的に痛みが出る可能性はあります。
しかし、仮に痛みが出た場合、そのときには子ども自身にも「この歯を何とかしてほしい」という理由が生まれます。そして治療によって痛みがなくなれば、「歯医者さんで治してもらったら楽になった」ということも理解しやすくなります。症状のない歯を無理やり治療されるのと、自分が困っている歯を治してもらうのでは、子どもにとって治療の意味が違ってきます。

「痛くなるまで放っておく」という意味ではありません

だからといって、「乳歯は痛くなるまで放っておけばいい」という意味ではありません。子どもの精神的な成長も考えながら、保護者の方と相談して、その時々で治療するかどうかを判断する。私はそれでよいと考えています。治療をしないという選択をした場合にも、お口の状態を定期的に確認していくことが大切です。

→【関連ブログ】乳歯が抜けたあと、歯並びがデコボコに?それって大丈夫?

本当に重要なのは「虫歯になった環境」を変えること

乳歯の虫歯について私が最も大切だと思っていることがあります。

乳歯の虫歯そのものは永久歯には引き継がれませんが、虫歯を作った口の中の環境や生活習慣は、そのまま永久歯にも引き継がれます。歯磨きの状態、食生活、間食の取り方などが変わらなければ、せっかく新しい永久歯が生えてきても、また虫歯になってしまいます。だからこそ、乳歯の虫歯をどう治療するか以上に、これから虫歯を作らない口腔環境を作ることが重要なのです。そのために大切になることの一つが、毎日の歯磨きです。

→【関連ブログ】子供のおやつ、何歳からOK?大切なのは「何を」より「どう」あげるか

子どもの仕上げ磨きは何歳まで必要?

子どもの仕上げ磨きは何歳まで必要?

幼児のうちは当然のように仕上げ磨きをしていても、小学生になって自分で歯磨きができるようになると、「もう本人に任せてもいいのかな?」と思いますよね。

結論から言うと、何歳まで、と年齢だけで決める必要はありません。大切なのは、年齢ではなく自分できちんと磨けているかどうかです。

自分で磨けることと、きれいに磨けることは別です

小学生になると、自分で歯ブラシを持って歯磨きはできます。しかし、「自分で歯ブラシを動かせる」ことと、「虫歯や歯周病にならないように、きちんと磨けている」ことは別です。

特に奥歯や歯と歯の間、歯と歯ぐきの境目などは磨き残しやすい場所です。
ですから、全部を毎回保護者が磨く必要はなくなっても、ときどきお口の中をチェックしてあげてください。

歯と歯ぐきの境目をチェックしましょう

お子さんがきちんと磨けているかを見るとき、ぜひチェックしてほしいのが歯と歯ぐきの境目です。ここに白っぽい歯垢(プラーク)が残っていないでしょうか。もう一つ見てほしいのが、歯ぐきの色や腫れです。健康な歯ぐきではなく、歯の周りの歯ぐきが赤くなっていたり、少し腫れていたりする場合は、その部分に歯垢が残っている可能性があります。

歯磨きのときに出血する場合も同様です。歯と歯ぐきの境目に歯垢が付いていないか、歯ぐきが赤く腫れていないか、歯磨きで出血するところがないか。このあたりを見ると、普段の歯磨きができているかをある程度判断できます。

永久歯への生え変わりの時期は特に注意しましょう

乳歯から永久歯への生え変わりの時期は、お口の中が大きく変化します。
乳歯と永久歯が混在し、歯の高さも揃っていないため、お子さん自身では磨きにくい場所ができやすくなります。これから長く使っていく永久歯を虫歯から守るためにも、この時期は特に注意してお口の中を確認してあげることが大切です。

特に注意してほしいのが6歳臼歯

小学校に入る頃になると、乳歯のさらに奥から「6歳臼歯」と呼ばれる永久歯が生えてきます。この歯は、その後の咬み合わせにとって非常に大切な歯です。ところが、生え始めは他の歯より背が低いため、普通に歯ブラシを動かしているだけでは毛先が届きません。さらに一番奥にあるため、お子さん自身では非常に磨きにくい場所です。ですから、6歳臼歯が生えてくる時期は、特に保護者の方に確認してほしい時期です。

高学年になったら「仕上げ磨き」から「チェック」へ

お子さんが成長して上手に磨けるようになれば、毎晩すべての歯を保護者が磨く必要はなくなってきます。少しずつ本人に任せていきましょう。ただし、完全にノータッチにするのではなく、ときどきお口の中を見て、「歯垢が残っていないかな?」「歯ぐきが赤くなっていないかな?」と確認してあげてください。仕上げ磨きを卒業しても、しばらくは保護者によるチェックを続ける。これくらいが良いと思います。

歯科医院も活用して「自分の歯は自分で守る」習慣を

歯科医院も活用して「自分の歯は自分で守る」習慣を

お口の中をチェックして、「いつも同じところに汚れが残っている」「歯ぐきが赤くなっている」という場合、保護者の方が毎回そこを仕上げ磨きする方法もあります。しかし、ある程度大きくなったお子さんなら、自分で磨けるようになることも大切です。

そんなときは、歯科医院でブラッシング指導を受けてみてください。どこが磨けていないのかを実際に確認しながら、その子に合った歯ブラシの当て方を覚えてもらいます。保護者がずっと磨いてあげるのではなく、少しずつ「自分の歯は自分で守る」習慣を身につけていくことも大切です。

→【おすすめブログ】学校の歯科受診は「気づき」の場所です

定期検診の目的は、これからの歯を守ること

定期的に歯科医院へ来ていただきたい理由は、乳歯の虫歯を監視するためだけではありません。一番の目的は、これから生えてくる永久歯を虫歯にしないことです。歯磨きができているかを確認し、必要であればブラッシング指導をする。生えてきた永久歯をチェックし、虫歯にならないように管理していく。そして、もし虫歯になってしまったとしても、定期的に診ていれば早期に発見できます。小さな虫歯のうちに見つけることができれば、治療による負担も小さくできる可能性があります。

乳歯だけでなく、その先の永久歯まで考えましょう

乳歯に虫歯が見つかったからといって、すべての子に同じ治療をする必要はないと私は考えています。

  • しっかり治療する
  • できるだけ削らず進行を抑える
  • 子どもの成長を見ながら様子を見る

どの方法を選ぶにしても、できるだけお子さんの苦痛が少なくなるように考えます。
そして何より重要なのは、乳歯の虫歯をどうするかだけに目を奪われず、これから生えてくる永久歯を虫歯にしないことです。

そのためには、毎日の歯磨きや仕上げ磨き、保護者の方によるチェック、そして歯科医院での定期検診を続けていくことが大切です。乳歯だけを見るのではなく、その先にある永久歯、そして将来のお口の健康まで考えていきましょう。

伊賀市でお子さんの虫歯や仕上げ磨きについて気になることがありましたら、峰歯科・矯正歯科クリニックまでお気軽にご相談ください。

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峰 啓介

[著者] 峰 啓介

三代目 院長 歯科医師 [所属] 峰歯科・矯正歯科クリニック

峰歯科・矯正歯科クリニック3代目院長、峰啓介です。素晴らしい患者様と素晴らしいスタッフに囲まれて、日々診療をしております。2006年から実家である当院に勤務しております。皆様に私のことをより知って頂ければ幸いです。

[経歴紹介]

  • 東京医科歯科大学 歯学部(現 東京科学大学)卒業
  • 同大学大学院咬合機能矯正学分野(矯正科)入局
  • 東京医科歯科大学大学院 卒業
  • 三重大学医学部附属病院
  • 口腔外科学講座入局
  • 現在 峰歯科・矯正歯科クリニック 院長