グラグラの乳歯、家で糸を使って抜いても大丈夫?
執筆:峰 啓介
- 虫歯治療
先日、海外で少し怖いニュースがありました。
7歳の男の子のグラグラしていた前歯を、家族が糸を使って抜いたところ、その歯が気管支に入り込んでしまったというものです。
歯は気管支に詰まり、右肺の一部が虚脱。呼吸不全を起こし、病院で治療を受けることになりました。
もちろん、家で乳歯を抜いたら、このような大事故が頻繁に起こるという話ではありません。ただ、この記事を読んで、「歯医者が怖いから家で抜く」という選択が、かえって怖いことになる場合もあると思いました。
グラグラの乳歯は、自然に抜けることも多いです
子どもの乳歯は、永久歯への生え替わりが近づくと自然にグラグラしてきます。そのまま待っていれば、食事中などに自然に抜けることも珍しくありません。ですから、グラグラしているからといって、必ずすぐに抜かなければならないわけではありません。
一方で、「かなりグラグラして食事の邪魔になっている」「痛くて噛めない」「永久歯が生えてきているのに乳歯が残っている」など、抜いてしまった方が良い場合もあります。
そんなときは、歯科医院で抜くことができます。永久歯の生え方が気になる場合は、お子さんの歯並びが気になる場合もあわせてご覧ください。
糸で抜くより、歯医者で抜いた方が安全です
昔から、「グラグラの乳歯に糸を結んで引っ張る」という方法があります。
今回のニュースでも、この方法で抜歯した後、抜けた歯が見つからず、結果的に気道へ入ってしまっていました。ここまでの事故になることは非常にまれだと思います。
ただ、わざわざ糸を結んで勢いよく引っ張らなくても、歯科医院では乳歯の状態を確認したうえで、安全に抜くことができます。十分にグラグラしている乳歯なら、抜歯自体もそれほど大変な処置ではありません。痛みにも配慮しながら処置できます。
「歯医者が怖いから家で抜く」は、逆かもしれません
子どもにとって、「歯医者で歯を抜く」と聞くと、怖く感じるかもしれません。保護者の方も、「これくらいなら家で抜いた方が怖くないかな」と思うことがあるでしょう。
でも、糸を歯に結んで、「今から引っ張るよ」という方が、子どもにとってはよほど怖いかもしれません。さらに、急に抜ければ、今回のように抜けた歯を誤って吸い込んでしまう可能性もあります。
歯医者が怖いというイメージがあるために、それよりもっと怖いことを家でする必要はないと思います。歯医者に対して不安がある方は、「怒られそうだから歯医者に行けない」そんな心配はいりませんもあわせてご覧ください。
無理に抜かず、迷ったら歯医者へ
グラグラしている乳歯は、自然に抜けるのであれば、それを待っても構いません。
「これはもう抜いた方がいいのかな?」「永久歯が横から出てきたけれど大丈夫?」「グラグラしているけれど、なかなか抜けない」そんなときは、無理に糸で引っ張らず、一度歯科医院で見てもらってください。
抜く必要がなければ、そのまま様子を見れば良いですし、抜いた方が良ければ歯科医院で処置できます。子どもにできるだけ怖い思いをさせないことも、小児歯科では大切なことです。
乳歯の生え替わりについては、乳歯の虫歯はどうする?治療の判断基準と仕上げ磨きのポイントの記事も参考にしてください。
グラグラの乳歯で困ったときは、お気軽にご相談ください。
峰歯科・矯正歯科クリニックの乳歯抜歯について

峰歯科・矯正歯科クリニックでは、お子さんの負担をできるだけ少なくできるよう、笑気麻酔を使用しながら乳歯の抜歯を行うことも可能です。緊張しやすいお子さんでも、リラックスした状態で処置を受けていただけます。
グラグラが続いてなかなか抜けない、永久歯が横から生えてきた、噛むと痛いなど、気になることがあれば、無理に自宅で対応せず、まずは峰歯科・矯正歯科クリニックにご相談ください。
歯の状態を確認したうえで、抜いた方が良いかどうかをお子さんに合わせて丁寧にご案内します。
定期検診で一緒に生え替わりの様子を確認することもできますので、クリーニング・予防歯科もぜひご利用ください。