一度も歯を磨いたことがないのに虫歯ゼロ|それでも歯医者に通うべき理由
執筆:峰 啓介
- 虫歯治療
峰歯科・矯正歯科クリニックの院長KSKこと峰啓介です。
先日、タレントの長嶋一茂さんがテレビでこんなエピソードを披露していました。
同級生のコウジさんは、生まれてから一度も歯を磨いたことがないのに、虫歯になったことが一度もないというのです。その理由を聞いたところ、全ての歯に隙間があるいわゆる〝すきっ歯〟で、甘いものが詰まらず、うがいで流れてしまうからとのことでした。
面白いエピソードだなと思いながら、歯科医師として「でも、その後はどうなったんだろう」とつい気になってしまいました。
虫歯になりやすさには「体質」も関係している
虫歯になりやすい人・なりにくい人がいるのは事実です。
歯の形や歯並び、唾液の質や量、口腔内の細菌バランスなど、さまざまな体質的要因が虫歯リスクに関わっています。
コウジさんのように歯の隙間が広いことで、食べ物が詰まりにくく、虫歯になりにくいケースもあります。実際に「ほとんど虫歯になったことがない」という方は一定数いらっしゃいます。
ただし、ここで大切なのは「虫歯にならない=お口が健康」というわけではない、ということです。
「虫歯にならない」と「お口の健康」は別の話
歯周病は誰にでも起こりうる

虫歯になりにくい体質の方でも、年齢とともに歯周病のリスクは高まります。
歯周病は虫歯とはまったく別のメカニズムで進行する病気です。歯磨きや定期的なケアが不足していれば、体質に関係なく進行してしまいます。 しかも歯周病は痛みが少ないまま進行することが多く、気づいたときにはかなり悪化しているケースも少なくありません。
「自分は大丈夫」が受診の遅れにつながることも
歯科医師として長年診療していると、意外に感じることがあります。
それは、比較的早い段階で歯を失ってしまう方の中に、「自分は虫歯になったことがないから大丈夫」と考えている方が少なくないということです。
虫歯がないことで歯への自信が強くなり、歯茎の出血や口臭など歯周病のサインが出ていても、「自分は歯が丈夫だから問題ない」と受診を後回しにしてしまう。
その結果、久しぶりに歯科医院へ来られたときには、歯周病が大きく進行していたというケースもあります。
→【おすすめ記事】おやつは「時間」が鍵!虫歯になりにくい食べ方のルール
将来も自分の歯で過ごすために

歯科医院で行う定期検診は、単に虫歯を見つけるためだけのものではありません。
歯石の除去や歯周病のチェック、咬み合わせの確認など、お口全体の健康を守るために重要な役割があります。
特に虫歯になりにくい方ほど、「症状がないから行かない」ではなく、症状が出る前に確認するという意識が大切です。
虫歯になりにくい体質は、確かに恵まれた一面かもしれません。
しかし、お口の健康を長く守るためには、虫歯だけではなく歯周病も含めて考える必要があります。
歯磨きや定期検診は、「今困っていないから必要ない」のではなく、将来も自分の歯で食事を楽しむための習慣です。
コウジさんの歯が今どうなっているのか、一茂さんも気になっているようでしたが…歯科医師としても、ぜひ定期検診には来ていただきたいところです。
お口のことが気になる方は、三重県伊賀市の歯医者、峰歯科・矯正歯科クリニックまでお気軽にご相談ください。