院長ブログ　伊賀忍者と甲賀忍者②

院長ブログ
2022/06/07

伊賀出身だと告げると、伊賀忍者と甲賀忍者の話題に良くなります。

どっちが強かったのか？

みたいのを聞かれることもあります。

私は、そもそも伊賀忍者、甲賀忍者という認識が当時の伊賀・甲賀の人間にあったのか？と疑問に思っています。もちろん、忍者である認識はあったと思うのですが、伊賀・甲賀という大きなくくりであったのか？もっと小さな地域で考えていたはずだと思っています。

「伊賀者」という言葉がありますが、これは役職名です。

江戸城には半蔵門という門があります。この門は、江戸城の中でも将軍が出入りする一番重要な門です。

そのため、厳重な警備体制にありました。

そこに警備している人たちの役職名が、「伊賀者」です。特に伊賀出身である必用は無かったようです。

ということから、江戸時代の段階では、伊賀に忍者がいたということは一般的な事となっていたはずです。しかし、それ以前の時代に、正確には天正伊賀の乱が起こる以前に、伊賀や甲賀に忍者がいたという事実は、一般的に知られていたとは思えません。そのような事実すら隠していたから、隠密な活動が出来ていたのではないかと思います。

伊賀や、甲賀のくくりが無かったとして、現在私は伊賀に住んでいますが、伊賀はとても広いです。そして、伊賀国という地域は、名張も含まれます。

現在の甲賀市の人にとって、伊賀市は身近です。でも全くもって名張市は身近で無いと思います。

現在の名張にお住まいの方は、他地域から流入してきた方が多く、伊賀市は隣の地域と認識しており、あまり地元と認識していない節があるように思います。

今でも、伊賀国の北部と南部では、とても遠い感じがあるのに、車の無い時代、はたして連帯感があったのかというと、絶対に無かったと私は思うのです。

伊賀の北部と甲賀では、隣というか、ほぼ連続した地域なので、ここには連帯感があったと思います。

つまり、伊賀と甲賀の地域の中で、連続した地域が連帯していたのではないかと考えています。

逆に遠い地域については、かなり敵対関係に有り、頻繁に内戦のようなことを繰り返してきたからこそ、おそろしい忍者集団ができあがったのでしょう。

ということで、甲賀にとって、伊賀と連帯していた地域と、敵対していた地域、両方あったと私は考えています。