スイスの事例から見る日本の歯科医療保険制度
執筆:峰 啓介
- 院長ブログ
先日、スイス在住の日本人YouTuberの方が、現地で歯科治療を受けた際の費用について語っている動画が話題になっていました。
詰め物の治療で2回通院し、合計822スイスフラン、日本円で約16万5,000円がかかったとのことです。「スイスでは虫歯になれない」という言葉が印象的でした。
今回はスイスの事例をもとに、日本の歯科医療保険制度について考えてみたいと思います。
スイスと日本では歯科治療の仕組みが大きく異なります
スイスでは歯科治療は保険適用外

動画によると、スイスでは一般的な医療保険に加入していても、歯科治療はその対象外だそうです。
毎月7万円ほどの保険料を支払っていても、歯の治療費は全額自己負担になるといいます。
そのため、虫歯ができてしまうと治療費が非常に高額になり、経済的な負担も大きくなります。
今回紹介されていた詰め物の治療でも、日本円にすると約16万5,000円という金額がかかっていました。「スイスでは虫歯になれない」という言葉には、そのような事情が背景にあるのでしょう。
海外では歯科治療が保険対象外の国も少なくありません
スイスだけが特別というわけではありません。
以前このブログでも紹介したカナダの事例のように、海外では歯科治療が一般的な医療保険の対象外となっている国は少なくありません。
→【関連ブログ】海外では虫歯1本で10万円!?日本の歯科医療が世界に誇れる理由
そのため、虫歯や歯周病にならないよう予防への意識が高い一方で、治療が必要になっても費用面が大きな負担となり、受診をためらってしまう方もいます。
日本では当たり前と思われている歯科医療制度ですが、世界的に見ると決して当たり前ではないことが分かります。
日本の保険診療は誰もが治療を受けやすい仕組みです
日本の歯科医師の中には、「保険診療では質の高い治療はできない」という意見を持つ方もいます。
その考えも理解できますが、私は誰もが安心して治療を受けられることこそ、本当に良い医療のあり方だと思っています。
高額な自費治療だけが選択肢であれば、治療を受けられる方は限られてしまいます。所得に関わらず必要な治療を受けられる仕組みがあるからこそ、社会全体の健康が守られるのではないでしょうか。
「痛いけれど治療費が高くて行けない」のではなく、「気になったら早めに歯科医院へ相談できる」という環境が整っていることは、日本の保険診療制度の大きなメリットだと考えています。
日本の保険診療は進化を続けています

近年は保険点数の改定により、保険適用でも白い被せ物を選択できるケースが増えるなど、治療の選択肢は着実に広がっています。以前に比べると、見た目や機能性にも配慮した治療を保険診療で受けられる機会が増え、日本の歯科医療は少しずつ進化を続けています。
保険診療でも十分に質の高い治療を受けられることは、日本の歯科医療が世界に誇れる強みの一つだと考えています。
地域の皆さまが安心して通える歯科医院でありたい
スイスのように歯科治療費が高額な国では、「虫歯になれない」という大きなプレッシャーを抱えながら生活しなければなりません。
しかし、日本では、そして伊賀の地域では、そうであってはならないと思っています。
痛みや違和感があればすぐに相談できること、必要な治療を安心して受けられること。
当院は、地域にとっての「安全装置」であり続けたいと考えています。
日本の保険制度を活用し、早めの受診を心がけましょう
日本の保険診療制度は、多くの方が安心して歯科治療を受けられる大切な仕組みです。
症状が軽いうちに受診することで、治療の負担を抑えられる場合も少なくありません。痛みが強くなってから受診すると、治療期間や通院回数が増えてしまうケースもあります。
日本には、必要な歯科治療を受けやすい環境があります。その制度を上手に活用し、お口の健康を守るためにも、気になる症状があれば我慢せず、早めに歯科医院へ相談することをおすすめします。
伊賀市で歯医者をお探しの方で、お口のことで気になることがあれば、峰歯科・矯正歯科クリニックへどうぞお気軽にご相談ください。