「入れ歯の金具が目立つのは嫌!」その場でワイヤーを調整する、峰先生の技術とこだわり
執筆:峰 啓介
- 峰歯科のこだわり
入れ歯を使っている方の中には、「金具が見えるのが気になる」「装着したときの違和感を減らしたい」と感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
入れ歯は、しっかり噛めることや安定して使えることはもちろん、見た目や装着時の違和感も気になるものです。
今回は、峰歯科・矯正歯科クリニックの峰先生に、実際の患者さんとのエピソードを交えながら、入れ歯の金具を調整する際の工夫や、先生が大切にしていることを伺いました。
「金具を奥にすればいい」というわけでもないんです
——入れ歯の金具について、患者さんから相談されることはありますか?
峰先生:
「ありますよ。例えば、前歯に入れ歯を入れている患者さんがいてね。
入れ歯って、金具をどこに付けるかによって構造が変わってくるんです。
金具を奥の歯に付ければ前からは目立ちにくくなるけど、その分、入れ歯の構造が大きくなることがあるんですよ。
逆に、前の方に金具を付ければ、入れ歯を小さくできる場合もある。
だから、見た目を取るのか、装着したときの違和感を減らすのか。そこは患者さんの希望も大事になってくるんです」
入れ歯の金具は、見た目と装着感のバランスが大切
部分入れ歯には、残っている歯に引っかけて入れ歯を支える「クラスプ」と呼ばれる金具があります。金具の位置や入れ歯の設計によって、見た目・安定性・装着感は変わります。
ただし、金具を目立たなくすることだけを優先すればよいわけではありません。入れ歯が安定して使えるか、残っている歯に無理な負担がかからないかといった点も重要です。
「前に金具を作ってほしい」その希望に、約10分で対応
——その患者さんは、どのような希望だったのでしょうか?
峰先生:
「前の方に金具を作ってほしいって言われたんです。
普通だったら、入れ歯を作り直すという話になることもあるんですけどね。
でも、その場でワイヤーを曲げて、歯に合うように調整したんです。時間にしたら10分くらいかな」
—— 10分ですか! そんな短時間でできるんですね。
峰先生:
「ただ曲げればいいわけじゃないんですよ。歯って一本一本、大きさも形も違うでしょ。
その歯にちゃんと沿うように、ワイヤーを曲げないといけないんです」
金具は、ただ歯に引っかかればよいものではありません。
患者さんの歯の形に合わせて調整することで、入れ歯の安定性や使い心地に関わってきます。
70代の患者さんにも、その場でワイヤーを調整
——ほかにも印象に残っているエピソードはありますか?
峰先生:
「70代くらいの患者さんでも、同じようなことがありましたね。
歯ぐきに沿わせながらワイヤーを曲げて、その場で調整したんです。
模型を作ってから合わせるんじゃなくて、実際のお口の状態を見ながらね。それも15分くらいでした」

※写真は実際にその時峰先生がその場でワイヤーを調整した入れ歯
——模型を使わずに調整されたんですね。
峰先生:
「そうです。もちろん、何でもその場でできるわけじゃないですよ。
でも、技工士さんに作り直しをお願いするとなったら、今使っている入れ歯を預けないといけないこともあるでしょ。そうしたら、その間、患者さんはどうするの?って話になるんですよね」
入れ歯を修理・作り直す場合、内容によっては技工所での作業が必要になり、一定期間入れ歯を預けるケースもあります。
毎日使う入れ歯だからこそ、できるだけ手元から離したくないという方もいるでしょう。
峰先生は、そうした患者さんの生活面も考えながら、その場で対応できる方法を検討されています。
なお、修理・調整・作り直しの可否や保険適用は、入れ歯の状態や治療内容によって異なります。
簡単そうに見えるけど実は繊細な作業


—— 先生のお話を聞いていると、かなり繊細な作業なんですね。
峰先生:
「そうなんですよ!
ワイヤーをちょちょっと曲げて、歯にぴったり合わせるって、実は結構すごいことなんですよ(笑)。
歯の形も大きさも違うし、ちゃんと沿わせないといけない。
これ、誰でも簡単にできることじゃないんです。
でもね、患者さんからしたら、目の前でワイヤーを曲げて、はい、終わりって感じでしょ。
なかなかこのすごさが伝わらないんですよね(笑)」
実際にワイヤーを曲げる様子をご紹介
一見すると簡単そうに見えるワイヤーの調整ですが、歯の形や金具の位置を考えながら、細かな作業を重ねています。
今回は、実際にワイヤーを曲げて形を整える様子を動画でご紹介します。
※動画は作業工程の紹介であり、すべての入れ歯を同じ方法・時間で調整できるわけではありません。
大切なのは、患者さんが何を優先したいか
—— 最後に、入れ歯の金具が気になっている方へ伝えたいことはありますか?
峰先生:
「金具が見えるのが嫌という人もいるし、入れ歯が大きくて違和感があるという人もいます。
何を気にされているかは、人によって違うんですよね。
だから、その人が何を優先したいのかということも大事だと思います」
入れ歯に求めるものは、患者さんによって異なります。見た目をできるだけ自然にしたい方もいれば、装着時の違和感を少しでも減らしたい方もいます。
今回ご紹介したワイヤーの調整も、単に短時間で処置を終えることが目的ではありません。
患者さんの希望をできるだけ叶えるために、これまで培ってきた技術を活かした一つの対応方法です。
もちろん、すべての入れ歯がその場で調整できるわけではなく、お口の状態や入れ歯の構造によっては、修理や作り直しが必要になることもあります。
それでも、「金具が気になるから仕方がない」「違和感があるけど我慢するしかない」と諦める前に、一度相談していただきたいと考えています。
患者さんが何に困っていて、どうすれば少しでも使いやすくなるのか。
一人ひとりの希望に耳を傾け、その方に合った方法を考えること。
それが、峰先生の入れ歯治療に対する姿勢です。
峰歯科・矯正歯科クリニックでは、現在お使いの入れ歯についてのご相談も受け付けています。金具の見た目や装着時の違和感など、気になることがあればお気軽にご相談ください。