こんにちは、三重県伊賀市の歯医者、峰歯科・矯正歯科クリニックの院長、KSK（けいすけ）こと峰啓介です。

今回は、第二次天正伊賀の乱について、

「なぜ織田軍はあっさり伊賀に侵入できたのか」

という点から考察してみたいと思います。

◼️伊賀は本来、天然の要塞

伊賀は四方を山に囲まれた盆地です。

地形だけを見れば、極めて防御に優れた地域であり、本来は外部勢力が簡単に入り込める場所ではありません。

実際、第一次天正伊賀の乱では、織田軍は伊賀に入る前の段階で撃退されています。

伊賀の地形と防御力が、十分に機能していたことを示しています。

◼️第二次では、なぜ侵入できたのか

ところが第二次天正伊賀の乱では、織田軍は比較的あっさりと伊賀国内へ侵入しています。

この違いは、第二次は第一次と違い、圧倒的な兵力で攻めてきたからと解説されます。だとしても、簡単に突破されたとなると、単なる兵力差だけでは説明がつきません。

◼️信長公記に見る侵入ルート

信長公記を見ると、

第二次天正伊賀の乱における主な侵入ルートは、

甲賀

信楽

伊賀北部からであったことが分かります。

この事実から考えると、北部伊賀と織田軍の間に、何らかの協力関係があったと考える方が自然です。

おそらく北部伊賀は織田軍を引き入れたと考えています。

◼️織田軍の本当の狙いはどこだったのか

これまでの考察を踏まえると、織田軍の主な目標は、伊賀全体ではなく「名張」であったと私は考えています。

名張を攻略するには、伊賀市側から名張へ向かって、複数のルートで同時に攻め込むのが最も効果的です。

第二次天正伊賀の乱は、

まさにそのような作戦だったのではないでしょうか。

◼️最終決戦地は柏原城

多くの研究者が指摘していることから、最終決戦地は、伊賀最南部、赤目のすぐ近くにある柏原城である事は間違いないでしょう。

この点については、大きな異論はないと思います。

そして前回までの考察から考えると、

それまで伊賀国内で大規模な戦闘はほとんど起こらず、織田の大軍は比較的スムーズに柏原城へ集結した。

私はその可能性が高いと見ています。

◼️それでも残る、大きな違和感

非常に奇妙なのは、信長公記には「柏原城」という名前が登場しない点です。

最終決戦地とされる場所が、一次史料で明確に語られていない。

この違和感は、

第二次天正伊賀の乱を理解する上で、

極めて重要なポイントだと思います。

◼️次回へ

次回は、

この「柏原城の決戦」について、

なぜ記録が曖昧なのか、

何が実際に起きていたのか。

その点を、

さらに掘り下げて考察していきます。

どうぞお楽しみに。

天正伊賀の乱⑧

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