院長ブログ　イソジン

院長ブログ
2020/08/08

大阪府の吉村知事がイソジンのコロナに対する影響について発言しました。

その結果イソジンを始めとする、ポビドンヨードが爆発的に売れているとのこと。

吉村知事の発言は、イソジンでうがいすることがコロナの重症化を防ぐ可能性があるということです。

そのことについて、私の見解を説明します。

吉村知事の言っていることの効果としては、口腔内細菌をコントロールすることです。つまり、口腔内を清潔にすると言うことです。

私も以前のブログでコロナの重症化には誤嚥性肺炎の影響が示唆されるので、口腔内は清潔にしておくのがコロナ重症化を防ぐ最も重要なファクターである可能性があると書きました。

そこで、口腔内を清潔にするということについて言及したいと思います。

お皿を例にします。使用したお皿を

①とりあえず消毒液で消毒だけする。

②直後に入念に皿洗いする。

どちらの皿で食べたいですか？

絶対に②の方ですよね。

口腔内に歯石やら歯垢などがたっぷりな状態でうがい薬で清潔にしたところで限界があります。

しかし、コロナで入院している時に歯石を取ることは出来ません。

その場合、薬剤でうがいをしっかりする必要があると思います。

しかし、普段から歯石除去やプラークコントロールをしっかりされている方にとって、それほど薬剤でのうがいが重要だとは思えません。

一番重要なことは普段から口腔内を清潔にしておくことです。

それが出来ていない人にとって、いざコロナにかかった時、イソジンが重要なのであって、一般の人がイソジンを買いあさるのは非常に良くないと思います。

医療の現場にとって、ポビドンヨードはものすごく重要な薬剤です。特に外科手術の時には大量のポビドンヨードを使用します。そもそもコロナ対策は医療崩壊を起こさないために重要だったはず。一般の人が買いあさることによって、医療の現場が逼迫するのであるならば、何のためのコロナ対策か本末転倒になってしまわないかが心配です。

イソジンがコロナに効くのかどうかは解りませんが、少なくとも口腔内を清潔に保つと言うことにおいては、歯石やら歯垢がコントロールされていることが大前提となります。

歯科での定期的なメンテナンス、ぜひぜひ活用していただきたいと思います。