- 新着情報
- 2020/04/18
院長メッセージ:コロナ感染予防で注意しなくてはいけないこと
コロナウイルスの感染は世界中で大問題となっています。その感染経路として、接触感染、飛沫感染が主だったものだと考えられています。接触感染とは、ウイルスが付着している何かを手で触り、その手で自分の顔を触って移るとされるものです。これを防ぐには、手洗いとうがいが重要になります。また、飛沫感染とは、感染者の咳や呼気が直接浴びせられて感染するというものです。これを防ぐのに「三密」(密集、密室、密接)を避けましょうと言われています。
しかし、メディアの情報によると、それだけでは説明が付かない感染があるように思います。
そんな中、接触感染、飛沫感染以外にエアロゾル感染という可能性が示唆されています。
Airborne transmission of SARS-CoV-2: The world should face the reality.
Journal Environment international. 2020 Apr 10;139;105730. pii: S0160-4120(20)31254-X.
Author Lidia Morawska, Junji Cao
エアロゾルとは、何か?
正確な定義は実はされていないそうです。私が考えるエアロゾルを説明します。
呼気の飛沫はしばらく浮遊しているそうです。その浮遊しているものがエアロゾルです。そして、その中にウイルスが含まれているという報告が複数あります。エアロゾルに付着しているコロナウイルスは3時間も生きているという報告もあります。
Aerosol and Surface Stability of SARS-CoV-2 as Compared with SARS-CoV-1.
Journal The New England journal of medicine. 2020 Apr 16;382(16);1564-1567. doi: 10.1056/NEJMc2004973.
Author Neeltje van Doremalen, Trenton Bushmaker, Dylan H Morris, Myndi G Holbrook, Amandine Gamble, Brandi N Williamson, Azaibi Tamin, Jennifer L Harcourt, Natalie J Thornburg, Susan I Gerber, James O Lloyd-Smith, Emmie de Wit, Vincent J Munster
直接飛沫を浴びるのではなく、エアロゾルに付着しているウイルスを吸ってしまい、上気道や下気道に接触すると、感染の危険性があります。それでは、呼気にどれくらいのウイルスが含まれているのでしょうか?
Infectious virus in exhaled breath of symptomatic seasonal influenza cases from a college community.
Journal Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America. 2018 01 30;115(5);1081-1086. doi: 10.1073/pnas.1716561115.
Author Jing Yan, Michael Grantham, Jovan Pantelic, P Jacob Bueno de Mesquita, Barbara Albert, Fengjie Liu, Sheryl Ehrman, Donald K Milton
この論文より、インフルエンザの患者さんの呼気からウイルスが出ていることが解っています。そして、咳をすればするほど、ウイルス量は大きくなることが解っています。また、くしゃみとウイルス量に相関関係はなかったということです。
ここから、呼吸の方法によってウイルスの排出量が変わることが示唆されます。
緊急寄稿(1)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のウイルス学的特徴と感染様式の考察(白木公康)
上記報告でも、エアロゾルによる感染を示唆されています。そして、その中で2009年の新型インフルエンザ流行の際に医学部生の感染機会を調べた研究によると,多くが「カラオケ」であったと報告しています。
ここからは私の仮説ですが、もしコロナウイルス感染者が腹式呼吸や運動時のような呼気量が大きくなるような呼吸をした場合、より多くのウイルスが排出するのではないか?また、そのウイルス濃度の濃いエアロゾルが停滞していた時、そのエアロゾル内である一定時間以上呼吸をすると感染のリスクが大きく上がるのではないかと考えています。
コロナ感染者が
腹式呼吸や運動で空気を大きく吐く
→密閉された空間で空気が停滞
→その他の人が、そこで数分間呼吸して感染
エアロゾル感染は所謂空気感染とも言えますが、この条件を満たすには、ある一定の状況が必要になるので、どこもかしこも危険というわけではありません。
例えば、スポーツジムでの感染が確認されていますが、私は一番怪しいのはランニングマシーンではないかと考えます。なぜかというと、ランニング中有酸素運動なので、呼吸が激しくなります。その後に走る人はそのエアロゾル内で自身も激しく呼吸することになります。これは換気を良くすることにより防げるように思います。
ライブハウスでの感染も多くの人が大声を継続的に発しているので、発生したエアロゾルを多くの人が吸い込むこととなったのでしょう。また、ライブで感染した人のいたオフィスではそれほど感染を拡大していないことが、呼吸の仕方が感染に関係していることを示唆しています。これに関しては密集となるので今はライブハウスでのライブは厳しいかもしれません。ライブハウスに関しては、オンラインライブとかにすれば、アーティストとも近くなり良いような気がします。
愛知県蒲郡市で「コロナばらまいてやる」騒動がありましたが、その男性が訪れたパブで感染したのは、接客したのとは違う女性だったとのこと。感染した女性は、男性が寝転んでいたソファで30分化粧をしたとのこと。もちろん接触感染の可能性もありますが、寝転がっていると腹式呼吸になりやすいのでそこでウイルスのエアロゾルが発生したのかもしれません。
日本よりも西洋の方が感染拡大しているのは、発声方法にも原因があるかもしれません。日本人が世界で一番、胸式呼吸で会話をするそうです。
仮説以降、私の想像の話なので、科学的根拠はないことです。しかし、気を付けて損はないことだと思います。対策としては、いずれの場合もやはり窓を開けるなどして換気を良くすることだと思います。
そして、もしエアロゾルによる感染があるとするならば、気を付けないといけないことがあります。
まずは公衆トイレの個室です。個室で踏ん張ると激しく呼吸するかもしれません。また、外では咳を出来ないので、個室でここぞとばかり咳をするかもしれません。その後に個室に入ると感染リスクが非常に高くなります。不特定多数の方が利用するトイレは、リスクがあるのではないかと考えます。感染予防のため、トイレの個室でもマスクはして咳は控えなくてはいけません。
喫煙所に誰もいなかったとしても、感染者が数分前にいたとしたら、一番危険な場所だと考えられます。
エレベーターで激しい呼吸は考えられないと思いますが、1人でエレベーターに乗っていたとしても、咳をしたり大きな声で歌ったりは控えなくてはいけないでしょう。
感染者が多い地区の方が少ない地域に流れてきています。うちの近所にも最近他府県のナンバーが多いようです。田舎だから人との距離はとれるかもしれませんが、その途中にトイレに立ち寄ったり、エレベーターに乗ったりすることにより、感染者を増やすことに繋ります。また、自分自身が感染するリスクを負うことになります。
不特定多数の人が立ち寄る空気が停滞した場所には、人がいなくても気を付けないといけません。
ちなみに、歯科でのコロナウイルスのリスクは高いとされています。その根拠となるのが、歯科ハンドピースが飛沫を発生させるということです。確かに普通に考えるとリスクは高いのかもしれません。しかし、現在のところ歯科関係者で感染している人間の割合は、日本人の平均を下回っており(集計した歯科医師がいます)、歯科医院で感染拡大したという例は認められていません。
その理由として、歯科治療時に歯科用ハンドピースから発生する飛沫には呼気が混じっていないからだと考えます。つまり、ウイルス感染させるようなエアロゾルは歯科治療によって形成されないのではないかと予想しています。
しかし、歯科で感染拡大していない本当の最大の理由は、歯科医師が感染に対してのプロフェッショナルであるということです。
歯科医院は以前から、ことあるごとに感染の温床だと言われ続けてきました。その度にめげることなく対策を講じてきました。日本の歯科業界には、そうした感染に対する逆境を跳ね続けてきた背景があります。新たに発生したコロナウイルスに対しては、まだ歯科が安全だというエビデンス(証拠)がないので、絶対に大丈夫だとは言えません。
しかし、テレビで歯科が危険だと吊し上げられるのには多くの歯科医師が憤りを感じています。テレビでの報道の仕方には少し悪意があるように感じたからです。
日本中の歯科医院で、ご来院の患さんが感染しないように全力で対策しています。少なくともその努力だけは知っていただきたいと切に願います。
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